“一番好きな場所はどこ?”と聞かれれば、
“図書館”と答える。
同じ本を扱う場所でも、そこには本屋には無い雰囲気が漂っている様に思う。
− 本屋は売春宿のようなもの – とはフランスのある作家の言葉。
本の表題、著者や登場人物など、それら一冊一冊の本が訪れる人の気を惹き、
暫くの間一緒に過ごそうと訴えかけてくるのだと。
それに比べて図書館にはその様な誘惑は微塵も感じられない。
もしかするとある意味墓場の雰囲気に似ていなくもない。
そこにある何千、何万册という本の微かな気配が何とも心地良い。
本を扱う場所の3大メジャーが:本屋、図書館、古本屋に分類されるとしたら、
建築の存在がより引き立てられるのはやはり図書館ではないか。
(ちなみに本屋の主役は本そのもの、古本屋に関してはその店の親父だ。)
映画などにも時として物語の重要なシーンとして登場し、映画そのものを
印象づけることがある。
気の利いた台詞よりもその構成された場の空気感だけで圧倒的な存在感が伝わってくる。
つまり絵になるのである。
ここで映画に登場する印象的な図書館をご紹介:
「大統領の陰謀」(1976)(All the President’s Men)より、
アメリカの首都ワシントンにある議会図書館。
「評決」(1982) (The Verdict)より
ニューヨーク•ブロンクスにあるDuane 図書館。